食べるだけではないりんごの魅力を感じられる場所!いいづなアップルミュージアムに込められた想いに迫る 小林館長インタビュー

食べるだけではないりんごの魅力を感じられる場所!いいづなアップルミュージアムに込められた想いに迫る 小林館長インタビュー

いいづなアップルミュージアムを訪れたことがある方も、知らない方も、はたまた誤解している方も(!?)、きっと新しい発見があるでしょう。
いいづなアップルミュージアム館長 小林さんに気になる質問をぶつけてみました。

2021年4月、いいづなアップルミュージアム館長に就任された小林さん

『まんが飯綱今昔物語』の作画を担当された漫画家さんでもあります。
エントランスの大きな看板は、小林館長が描かれた作品!

1997年飯綱町に誕生したいいづなアップルミュージアム

——いいづなアップルミュージアムが誕生した経緯を教えてください。
【館長】「ニュートンりんご並木」が形になった1990年、並木道周辺に公園などを作るアップルランド事業という構想がありまして。その中で、博物館やギャラリーを建てることが決まって、1997年冬にオープンしました。

——年間どのくらいの方々が訪れていますか。今日も地元の高校生が社会見学に来ていましたね。
【館長】コロナ前は、年間約1万5千人の方々に足を運んでいただいていました。アップルミュージアムの先にあるサンクゼールさんの帰りに立ち寄られる方も多いですね。今日のように、地元の学生さんたちが社会見学に来ることもありますよ。

——印象に残っていることはありますか。
やっぱり「おもしろい博物館ですね」と言ってもらえるとうれしいですよね。

りんごの魅力が詰め込まれた博物館への熱い想いと課題

——いいづなアップルミュージアムの魅力とこだわりについて教えてください。
【館長】一口にりんごと言っても食べるだけじゃない、りんごが持つ物語性や象徴性などをコレクションとして色々展示しています。ここに足を運んでいただければ、りんごの魅力を普段以上に感じることができるんじゃないかな。

——りんごの物語性?象徴性?
【館長】りんごって神話など物語に出てくることが多いと思いませんか。そこにはメッセージが込められていると思うんです。例えば、青春、命、みずみずしさなど…。このようなりんごが持つ象徴性を、グッズなり造形として表現者が形にしている。これらを一度にたくさん鑑賞できるところは全国探しても他にないんじゃないかな。

——まさにりんごの魅力が詰め込まれた博物館。
【館長】たまに迷走しているとか、変な博物館とか言われるんですが(笑)たしかに「どうしてここにあるの?」と思われるような展示物もありますが、よーく考えると、ここにあるものはすべてりんごに関係していることに気づいてもらえると思います。

——アップルミュージアム内の本棚に『サザエさん』の漫画本を見つけて、さすがに「どうしてここにあるの?」と思わずにはいられませんでした。
【館長】テレビアニメ『サザエさん』のオープニングテーマ終盤、サザエさんたちは何から出てきますか?

——りんご!そういうことですか。
【館長】オープン当初はりんごのパネルや説明の展示だけでした。でもそれだけではつまらない。「もっと楽しい博物館にしたい、りんごに関するものをコレクションして展示しよう」と当時の館長が動き出しました。

——相当な熱量と行動力がないと集まらない量だと思うのですが、どうやってこんなにたくさんの展示品を集めたのですか。
【館長】すごい量ですよね!展示品は、2000年あたりからインターネットを駆使して集めたと聞いています。「りんごでイメージするものを挙げてください。売ってください。送ってください」と全国から募ったり、ネットオークションで落札したり。コツコツ集めた結果が今の状態です。

——何か課題はありますか。
【館長】実は今、展示の仕方を変えていこうと考えています。具体的には、キャプションをつけていこうかと。昔はテーマ別に展示していましたが、たくさんの人が携わるうちに脈略がなくごちゃごちゃしてしまって。それを整理したり、説明書きをつけたりしようと思ってるんです。

——キャプションなしで想像力を掻き立てるような展示もおもしろいと思いますが、わかりやすくて伝わる展示もいいですね。
【館長】説明書きがないことも変な博物館だと誤解される要因のひとつ。ただ、説明が多すぎるとつまらないし、それに引っ張られちゃうのもよくないないから、加減が難しいですね。周りの意見を聞きながら、進めていこうと思います。

いいづなアップルミュージアムでりんごのイメージが広がる体験を

——どのような方々に訪れてほしいですか。
【館長】一番は町民の皆さん。そしてもちろん全国の方々。

——いいづなアップルミュージアムのこれからについて教えてください。
【館長】りんごは食べたら美味しいけれど、それだけじゃない。食べるだけではないりんごの魅力を感じ取れるような、二度三度足を運びたくなるような仕掛けをしていけたらいいですね。

——それでは最後に読者さんにメッセージをお願いします。
【館長】もう、是非一度来てみてください!りんごのイメージが広がるかもしれません。 作品展などでアップルギャラリーを利用したい方もご相談ください。りんごに関わること以外でもお使いいただけます。

おまけ

——いいづなアップルミュージアムの館長になるにはどうしたらいいですか。
【館長】なりたい人いるのかな?そうですね、募集しているときに応募してください(笑)

——いいづなアップルミュージアムで働くにはどうしたらいいですか。
【館長】募集しているときに応募してください(笑)

——お好きなりんごを教えてください。
【館長】印度だね。蜜が入った甘さではなくて、スイーツのような…ちょっと表現が難しいね。食べてみればわかりますよ。生で食べるのが好きです。

▶︎ アップルミュージアム webサイト

とことんりんごにこだわった館内は、文字どおり“りんごづくし”。
入口にはりんごに関連した可愛い小物雑貨の販売や、季節のりんごジュースを飲むことができるカフェ『i-cafe』があります。
▶︎ アップルミュージアム webサイト

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