りんごに出会えるカフェを探しているあなた!「りんごと廃校、そして驚き」がコンセプトのカフェをご存知でしょうか。飯綱町三水地域の廃校カフェ「泉が丘喫茶室」です。
飯綱町産りんごの品種の豊富さを活かしたメニューを展開するのは、店長の植田麻緒さん。
一体どんな驚きが待っているのでしょうか。植田さんのインタビューとともにお届けします。
泉が丘喫茶室の誕生と魅力
2020年7月、廃校リノベーション複合施設「いいづなコネクトEAST(旧:三水第二小学校)」内にオープンした泉が丘喫茶室。
飯綱町出身の植田さんは、大阪で10年間カフェを営んでいました。ある日、母校(旧:牟礼西小学校 現:いいづなコネクトWEST)が廃校になることを知り、大きな衝撃を受けたそうです。
「自分のスキルを活かして、町に貢献したいと思って。廃校活用で飲食店を担当する人を探していることを知り、それなら私を役立ててほしいと思い、地域おこし協力隊に応募しました。」
2020年2月に飯綱町に引っ越し、5月から協力隊として活動を始め、7月にはオープンというスピード感で、泉が丘喫茶室を立ち上げました。
オープン当初はショーケース1つに収まっていたケーキやタルトも、今ではこの通り。大きなショーケースが追加され、そこに並ぶケーキやタルトの種類はオープン時の約3倍に。
泉が丘喫茶室の魅力は、品種の豊富さを活かしたメニュー展開。「多くの種類のりんごが、新鮮な状態で手に入る飯綱町にあるからこそできること」と植田さんは話します。
「子どもの頃は知らなかった、飯綱町産りんごの魅力である品種の多さにびっくりして。品種を活かして何かできないかなと思いました。『このりんごはどんな加工品に向いているんだろう』と考えるのがすごく楽しいんです。」
新しさと懐かしさが融合したおしゃれな空間
外観は小学校のまま。正面玄関を抜け、学校らしさを残した廊下を進んだ先にある泉が丘喫茶室。ドアを開けてびっくり。大胆に赤く塗られた壁が印象的なおしゃれな空間が広がっています。
もともと給食配膳室だった場所が、新しさと懐かしさが融合したおしゃれな空間に。植田さんのセンスが光ります。
大きなテーブルは図工室の机、レジ台は演台(式や講話などで、先生が立って話すときに前に置く、体育館のステージ上にある台)。他にもカラフルな下駄箱や棚など、学生時代を思い出す懐かしいものがたくさん置かれています。
「校舎内は宝の山です。町の教育委員会も協力してくれました。眠っていた机や椅子などを使って、学校を新しく生まれ変わらせたことをうれしく思っていただいて。ここ、三水第二小学校に通っていた方々にも、『こんなにおしゃれにしてくれたんだ』とびっくりされます。」
こだわりが詰まったりんごメニュー
丸ごとりんごの焼きタルト
見た目のインパクトに驚き。丸ごとりんごの焼きタルトです。1個500円(税込み)、3個食べ比べセット1,300円(税込み)。
その名の通り、りんごを丸ごと1個使用して作られたタルトです。今までに30種類以上もの品種で、丸ごとりんごの焼きタルトが作られてきました。「食べ比べセットで、品種による味の違いを感じてほしい」と植田さん。
アーモンドクリームのタルト台に、りんごが丸ごと重ねられていて、芯部分にはナッツとドライフルーツが詰まっています。
周囲の反対を押し切って発売に至ったというエピソードがあるほど、想い入れのあるメニュー。お伝えしたいことが山ほどあるため、別記事にて詳しく紹介しています。
タルトタタン
泉が丘喫茶室人気No.1。タルトタタンです。1ピース550円(税込み)。
1ピース当たり3~4個のりんごが使われている贅沢な一品。火入れと冷ます作業を3日間繰り返すことで生まれる、ねっとり具合と色が特徴です。
丸ごとりんごの焼きタルト同様、お伝えしたいことが山ほどあるため、別記事にて詳しく紹介しています。
季節のタルト
旬のフルーツなどを使ったタルトのラインナップも充実しています。この日は、飯綱町産キウイ×りんごのタルトも並んでいました。
1か月スパンで入れ替わるメニュー。訪れる度に新しいタルトに出会える楽しみがありますね。
アップルコーラ
キャッチフレーズは「飲むアップルパイ」。「アップルコーラ」です。1杯500円(税込み)。
「コーラ独特のスパイス感とまるでアップルパイを飲んでいるような濃厚さが特徴です。」
今回は、紅玉のアップルコーラをいただきました。飲んで納得。まさに飲むアップルパイ。それでいて、爽やかな味わいのりんごのクラフトコーラでした。
アップルコーラシロップ(瓶入り)
ここでうれしいお知らせ。近日、アップルコーラシロップ(瓶入り)が発売されます。つまり、お家で泉が丘喫茶室の味が楽しめちゃうということ。300ml 1,500円(税込み)。
植田さん自らオリジナルレシピを持ち込んで町の加工場と交渉し、商品化が実現しました。4倍希釈、瓶1本で4,5杯のアップルコーラが作れます。炭酸割りはもちろんのこと、ホットやアレンジなど楽しみ方は色々。
品種は、ブラムリー、紅玉、グラニースミス。今後は、スパイスの配合で味にバリエーションを出していくことも考えているそうです。
りんごジュース ~50種類のりんごジュースを作ろうプロジェクト~
色と味の違いに注目、品種別のりんごジュースです。品種は、左から、ほおずり、千雪、さんたろう、しなのゴールド。230ml 500円(税込み)。
飯綱町では、約50種類のりんごが生産されています。その品種の多さを活かしたりんごジュースを作ろうと、「50品種のりんごジュースを作ろうプロジェクト」をスタートさせた植田さん。
「1年で10品種のジュースを作ることを目標にしています。品種によって、色や味がこんなにも違うんだ、と思って。ここでしか買えないりんごジュースを作っていきます。」
りんごへの興味のきっかけに
「カフェはとっつきやすいと思うんです。カフェのりんごメニューを通して、りんごへの興味のきっかけになれば、と思っています。」
休日も、ご実家のりんご園を手伝ったり、ご主人と一緒に新商品開発をしたりと、りんごのことを考える毎日。もはや「りんごが趣味」だと笑う植田さん。
「ケーキもタルトもたくさんの品種でご用意しているので、りんごの新しい魅力や好みのりんごを見つけに来てください。」
おまけ
植田さんのお好きなりんごを教えてください!
「注目しているのはシナノドルチェ。加工したときの酸味の残り方が絶妙で、お菓子に向いています。いろんな商品に活用できそうなりんごです。」