美味しいリンゴを見分けるポイントをご紹介します。
色やお尻を見る
『美味しいリンゴを見分けるには、「色」や「お尻」に注目しましょう。
しっかりと色づいているものは太陽の光を浴び、味も濃く美味しいリンゴです。また、リンゴのお尻(底の部分)が広がっていて、ふじなら黄色く、その他の品種なら黄緑色になっているものが食べごろです』(ながの地域りんご物語:長野地域「おいしい信州ふーど」推進検討会議製作)というのが基本のリンゴの見分け方です。
農家の方に伺うと「お尻が開いている感じのリンゴが熟しているよ」「花おさまりがちょっと窪んでお尻が広がっていると美味しいよ」と教えてくれました。
また、「軸が太いリンゴは『ぞうっぱな』といって美味しくならない」そうです。
ぞうっぱなリンゴはほとんど摘果(果実が小さいうちに果形が良好な果実を選んで残し、ほかの果実を取り除く作業)されますが、稀に商品に混ざることもあるようです。
「ツル割れ」や「サビ」は見た目は悪いのですが、皮を剥けは味には問題ありません。
葉とらずリンゴ
「しっかりと色づいているもの」が美味しいリンゴとされていますが、「葉とらずリンゴ」に取り組んでいる農家さんもいます。一般的には、収穫直前に、太陽の陽光をさえぎっているリンゴの周りの葉を摘み、リンゴの色づきを良くする「葉摘み」という作業をするのですが、葉は光合成をしてリンゴに養分を送る大事な役割をしているので、取らない方が美味しく糖度が高くなるという考え方です。しかし葉がたくさんついている分、色づきが良くなかったり、色ムラができてしまったりすることがあります。また、完全な葉とらずリンゴではなく、多少の葉摘みをギリギリのタイミングで行うなど、農家さんはそれぞれ工夫をしています。リンゴのお尻のほうまで均一に色づきを良くするために、地面に反射シートを敷いて陽光を当てている農家もあります。「色」で美味しいりんごを見分けるのは難易度が高そうですね。ちなみに、青色や黄色の品種のリンゴの場合は、皮のツヤを見るといいそうです。
さみず農産物直売所「さんちゃん」の方にお話を聞きました。
「美味しいリンゴと言っても好みは人それぞれ。コロナ禍以前は、各農家が試食を出して、個性の違いを味わってもらえるようにしていました。お気に入りのリンゴが見つかったお客様は、生産者の名前を覚えていて、次に買いに来るときは生産者の名前だけ確認して、ささっと買い物を済まされる方もけっこういらっしゃるんですよ」
まさに指名買いのリピーターさんですね。みつどんマルシェのお買い物でも「これは美味しい!」と思うリンゴに出合えたら、その生産農家さんをチェックしておきましょう。
ところで、あなたにとって「美味しいリンゴ」はどんなリンゴですか?
一般的に、リンゴといわれて思い浮かべるのは、形は丸く、真っ赤な色。味は、広く人気のある「ふじ」のように甘みと酸味のバランスがよく、歯応えがシャキシャキとしたものなのではないでしょうか。
しかし、リンゴは世界に約15,000種類、日本国内では約2,000種類もあるといわれます。酸味が強いものから甘味が強いものまで、形はまん丸に近いものから、縦に長いもの、横に広いものまで、さまざまです。
飯綱町はリンゴの栽培品種が多い
飯綱町のリンゴ栽培の特徴の一つに、栽培品種がとても多いことが挙げられ、わかっているだけで60種近くが栽培されています。いいづなアップルミュージアム前の「ニュートンりんご並木」には、1990年に英国王立園芸協会から寄贈された「ブラムリーズ・シードリング」「ローズマリーラセット」などの外国種リンゴが植樹されていて、町内では栽培農家も増えてきています。また「シナノリップ」(2018年品種登録/長野県果樹試験場)のような新しい品種も登場し、新しい品種改良が進められています。
美味しいリンゴを考える上で、味と同じくらい大切なのが食感です。「ガリッ」「カリッ」「サクッ」「シャキッ」「シャリッ」……どんな歯応えがお好みですか? リンゴの産地、飯綱町の人たちは食感にとても厳しく、ほんの少しでも歯応えが悪くなると「ボケた」と言います。果肉がやわらかくなりジューシーさが損なわれると、長野の方言ではリンゴが「ボケた」と言うのです。食感のいいリンゴの代表は「ふじ」「秋映」「シナノゴールド」。シャキシャキジューシーな食感を楽しみましょう。
時期、品種、生産農家といろいろ試して、あなたのお気に入りのリンゴを見つけてください。